ハム茶漬けと増位山太志郎
あやふやな記憶ですが、7-8年前か、爆笑問題の太田さんがテレビで、お茶漬けのことを語っていました。
「増位山が好きだった『ロースハム茶漬け』を自分も食べている、凄く美味しい」というような事だったかと思う。
愛人生活も10年以上続くと、趣味などはすっかり愛人色に染まってしまいます。
私の愛人の年齢は15近くも上なので、昭和30、40年代の音楽、映画、娯楽等にも自然と詳しくなってゆきます。
その中で私がハマってしまったもののひとつが「増位山太志郎」。
相撲には詳しくないので何と称していいのかわかりませんが、
元大関、元親方、の増位山です。
力士現役時代からムード歌謡・演歌歌手として活躍していた増位山です。
この顔ですごい声なんです。
とても力士とは思えない美顔美声、圧倒的な歌唱力。
昭和52年発売「そんな女のひとりごと」は売上130万枚！
甘いんです。
とにかく甘い声。プレイボーイ声。
初めて聞いた時は、誰よこれ？ え？ 親方？ 増位山？ 昔正月にやってた「部屋別対抗歌合戦」とかに出てたあの？ 現役時代の録音？ こんなに甘い現役力士がいていいの？ いっぱいレコード出してんじゃん、巡業とか、いいの？ しかもウルフより男前じゃん！ 寺尾くらいかっこいいねぇ！ え、弱かった？ 関係ないわ！
と狂喜した初増位山体験でした。
昭和40、50年代当時はレコードを出すスポーツ選手が多かったと思いますが
プロ野球選手の「昔2、3枚レコード出してました」「黒歴史です」、
みたいな笑って過ごせるものとは次元が違います。
王長嶋、江本に江夏、原や落合までもが出してますが、
歌唱力、歌への向き合い方、はっきり言って相手になりません。
親方を辞めた後も（辞めてまでも）、部屋が消滅してしまった後も（消滅させてまでも）、
（相撲より）歌を愛し、歌手を続けるその姿、歌に対するお遊びでないその本気度合い。
過去にすがらない、今を生きてる男の背中がそこにあります。
この甘みを、少しでも多くの人へ聞かせたいと思い、
YouTubeの音だけでも貼ろうかと探したのですが
最近の映像は出て来ても、昔の音源のものが見つからなくあきらめました。。。
どんな経験をしてきたら20代でこの色気が出せるのか、
50年遊び続けた男でも出るか出ないかのこのプレイボーイ声を
ぜひとも当時の音源で聞いて欲しいです。
もちろん今も素晴らしいです。定期的にシングルも出し続けてらっしゃいます。
2014年からは、年末に「2015年全曲集」といった
次の年の名がついた全曲集を毎年発売されています。
中身は微妙に違うのでどれを買ったらよいか迷いますが、
正直どれでもいいと思います。
どれにもヒット曲は入ってます。
渋い！
継続という力に満ち満ちている！
今年末も発売される事を願う！
話は最初に戻りますが、
私が愛人に「テレビで爆笑問題の太田が、増位山のお茶漬け話をしてた」と言うと、
「ああ、ハム茶漬けでしょ」のような返しをしてきたのです。
今思うと何でそんなマイナーな事知っていたのだろうと思いますが、
当時としては有名な話だったのでしょうか。ハム茶漬けが？
愛人曰く「相撲部屋にはいっぱいお歳暮が来るから値段の高いロースハムがいっぱいある」そうで、
「なるべく高いハムを厚めに切り、お茶でなくお湯をかけて、ハムの出汁を味わう」のがハム茶漬けだと。
当時の私はとりあえずスーパーで買った、最初から切れてる安い薄いハムでまず試してみました。
聞けば増位山が大関昇進を決めたその日も食べたというハム茶漬け。
そこまでおいしく感じませんでした。
やっぱり安ハムではダメかぁと諦めて幾日か後、
正月に実家で塊ハム（切れてないやつ）をもらい、再度試しましたが
これまたいまいちです。ぜんぜん出汁でない。味薄い。
いや、
あの増位山さんが美味しい、大好きだと言う（全て伝聞）あのハム茶漬けがいまいちな訳ない（増位山愛絶頂期）。
これはきっと私の味覚が悪いのだ。
この繊細な味を楽しめるようになるまでは道は長そうだ。もっと人生経験を積まねば。
というような事を思ったと思います。
その後しばらくハム茶漬けの存在は忘れてしまってました。
そして今回、
冷蔵庫内にスーパーの安い薄切りハムをみつけ、
「なんか暑いし面倒だからハム茶にすっか〜」
「でもハム茶、味薄いしたいして美味しくないんだよな〜」
「まあ沢庵もあるしいっか〜」とやってみると
これが凄く美味しかった。
味足しは唐辛子味噌少しに、沢庵、ゴマ。
これに緑茶。
いや〜やっぱ、しょっぱいの最高！
まとめ
『ハム茶漬け』の正解
味足して緑茶がけ、で旨くなる。
正解自信度 ★★★★★（5）
来たる2017年8月4日（金）、テレビ東京、
増位山さんが出演されるようです。
時間は11:35〜11:40だそうです（え、5分？）
ちょっと楽しみ。
