なんばんみその茶漬け
味の記憶で作ってみたなんばんみそ、沢庵、塩昆布、海苔、緑茶。
幼い頃、大好きだった伯父からもらって食べていた「なんばんみそ」。
白米にのっけて食べるごはんのお供だ。
10年ほど前に亡くなった伯父は、かの有名な「キリストの墓」がある青森県の戸来村(現在の青森県三戸郡新郷村)の、たしか麹屋の生まれだ。
その麹屋さんで売られていたものなのか、近所の味噌屋から買っていたものなのか定かではないが、実家から送られて来ると必ず私の家にもおすそ分けしてくれていた。
現在通販しているものを見つけた。
「コムラの」だったかどうかは忘れたが、このビニールに詰められたフォルムも大きさも私の記憶と変わらない。
製造元「コムラ醸造」の所在地を調べてみると五戸町。戸来村の隣である。明治18年創業ということだから私の幼少期にも存在している。これかも。この腸詰のようなパンパンのビニール詰めはなかなか他には無い。
食べたい。あの頃のあの味をどうしても食べたい。が、送料が高いので手作りしてみることに。「なんばん味噌」「南蛮味噌」とWEB上で検索してヒットするものは日本全国多数あるが、レシピや材料を見るとどれも私の記憶の味と違う。WEB上で溢れている情報はだいたい味噌と唐辛子、酒、砂糖を混ぜて練った甘辛味噌といった感じ。
違う。こんなレシピは断じて違う。そんなに甘くは無かったはず。物凄く辛かった。
全体は薄い茶色で5ミリ角くらいの細かく刻んだ人参や大根がゴロゴロしていた、しその実も入っていた。辛さの中に野菜のほのかな甘みはあった。。。
前記「コムラ醸造」のWEBサイトに謎を解く鍵が。
「なんばんみそ」は明治の頃より青森県南地方の冬の保存食として食されたのがはじまりと云われています。「みそ」というネーミングにお味噌汁の味噌をイメージしてしまいがちですが、もろみに漬けたお漬物です。
もろみに漬けたお漬物です、とある。
え、味噌じゃない。
よくよく見ると「味噌」とは一切ラベルに書いてない。あくまで平仮名で「みそ」。
もろみに漬けたお漬物、もろみに漬けたお漬物、もろみに漬けたお漬物、と唱えてみてもなんの事やらさっぱり。
もろみ? ここから私の、青森発のなんばんみそへの旅が始まった。
「なんばんみそは味噌じゃない」
正解自信度 ★★★★☆(4)