もち子の正解

愛人(貧乏)生活15年選手。もうそろそろ正解を決めていきたいです。

猫死んで現れた変なおばさん

ペットの猫が死んで悩んでいる事がある。
とにかくこの寂しさから手っ取り早く切り抜けたいと。ペットロスなんて甘っちょろい言葉を吐いている段階では無い。寂しさを埋めてくれるものなら何でもいい。
私は問題の解決に向け、どんな時に寂しいと感じているのか、まずはリストアップしてみた。

  1. 寝る時の腕が寂しい。
  2. 仕事中に邪魔してくれないから寂しい。
  3. 早朝の餌を要求する騒ぎが無いと寂しい。
  4. 何かに気軽にバカヤロウと言えないのが寂しい。
  5. 何をやっててもふと寂しい。

以上のように四六時中寂しいので、猫でも犬でもネズミでも魚でも何でもいい。マジで何でもいい。替わりになるものを早急にみつけたい。

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部屋に時々現れるアダンソンハエトリグモというのがいる。この蜘蛛で寂しさを埋められないかと考えたが、小さ過ぎる、一緒に寝れない。意外とすぐ死ぬ。
 などは一緒に寝てくれそうだが、同居するラ・マンが鳥嫌いということでダメ。
「もう一度猫」の選択肢は今まで猫の為にさんざん旅行を我慢してきたのでダメ。旅行はしたい。同じ理由でもダメ。

アダンソンハエトリグモ

 

 

なにも寂しさを埋めたいだけなら動物に頼らずとも。そう考えた私は料理で気を紛らわせてみる事にした。寂しかった。映画や海外ドラマを一気見してみた。散歩してみた。思い切りいてみた。セックスしてみた。どれも効果はなかった。

Eisen Keisen injyutsu
▲『淫術九勢之図』渓斎英泉,1823



そして辿り着いたのは「毛布」。これはなかなか良い。寝る時に頬の横に添えればあのモフモフ感を少しだけ再現してくれる。腕枕をしてみると重みは足りないのだが丸めれば抱きつく事もできる。そして仕事中には毛布の匂いを嗅ぐ事で、あの背毛や腹肉のたまらない匂いを思い出し、少し仕事の邪魔にもなる。毛布に「バカヤロウ」と言っても誰にも迷惑はかからない。毛布の中に小豆を入れた袋を仕込み重みを出す、さらにホカロン等を入れれば猫の体温まで再現出来るはずだ。あとは毛布が鳴いたり叫んだりしてくれさえすれば、と本気で思う。外に抱いて持ち歩きたいくらいでもある。

しかしふと我に返ると、もはや毛布を抱えた悲しきヤバい変なおばさん(46歳)である事を少し自覚するとともに、なおかつあの寂しさが増し増しになって帰って来るのです。。。


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地元東村山の雄・志村けんが逝き、その二週間後に我が愛しき猫も逝ってしまった。さらに三週間、STAY HOME期間とやらもあり、寂しさは私の体に不調をもたらし始めた。急がねばならない。なりふり構っていられない。来たるべき猛暑に備え、早く毛布に変わる薄手の何かを探さなければ、私は壊れてしまいそうです。

 

猫の代用毛布
▲今のところ一番寂しさを埋めてくれる毛布